11月15日(現地14日)、本学訪問教授である多和田葉子氏が米国において最も権威のある文学賞の一つとされる「全米図書賞」の第69回翻訳書部門(National Book Award/Translated Literature)を受賞したことが発表されました。

受賞作品は2011年3月11日に起きた東日本大震災の福島原発事故後を描いたディストピア(ユートピアの対義語)小説とコメントされる『献灯使』(講談社、2014年10月)、英語翻訳本”Emissary” (New Directions, 2018, April / Margaret Mitsutani訳)です。

この度の受賞を受け、本学文学学術院松永美穂教授より、以下のコメントが寄せられました。

「多和田さんは既に日本やドイツでたくさんの賞を受賞されていますが、今回、アメリカの出版界ではもっとも有名な賞の一つである全米図書賞を、新しく創設された翻訳書の部門で受賞されたことには、大きな意義があると思います。近年、多和田さんの作品は様々な言語に翻訳されていますが、この賞の受賞を通して、そうした国際的な翻訳の動きも加速する可能性があるでしょう。日本語文学と言えば村上春樹さんがベストセラー作家として注目を集めていますが、まったく違うタイプの多和田さんのような作家もいらっしゃることを広く知っていただき、日本語文学の層の厚さを実感してもらえればと思います。」

(左)受賞作『献灯使』を手にする多和田氏 (右)松永美穂教授

多和田葉子氏はこの度の受賞の前にも、学術や芸術などのさまざまな文化活動を通じて、日本と海外の相互理解促進に貢献し、今後の活躍が期待されるとして2018年度国際交流基金賞を受賞されており、近年ますます国際的にも注目されている作家のひとりです。

なお、多和田葉子氏は毎年、ベルリン在住のピアニスト高瀬アキ氏と早稲田大学にて「多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス&ワークショップ」と題したイベントをおこなっており、今年も11月15日(木)~16日(金)に小野記念講堂にて開催しています。