ブックタイトルRILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌
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RILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌
東アジアにおけるサブカルチャー、文学の変貌と若者の心中国では20世紀初頭に)、文化の中を周縁から中心へと移動した「文学」は、今再び静かに周縁へと後退しようとしているのではないだろうか。その背後に、若者を中心とした読者の社会観、人生観の変化があるのだとすれば、問題の根は深い。わたしたちが直面しているのは、近代文化の根本的な転換の一部なのかもしれない。だとしたら、文学はどこへ行くのだろう。変化の渦中にいるわたしたちに、全貌はまだ見えない。だが、すでにその予兆や端緒を、東アジアの文化状況の中に観じているのではないだろうか。そう考えれば、サブカルチャーは驚くほど多くのことを語りかけている。(本論文は、2012年12月9日に早稲田大学で開催された「東アジア人文学フォーラム」での口頭発表をまとめたものです。「東アジア諸都市のサブカルチャー志向と若者の心」(千野拓政編『東アジアのサブカルチャーと若者のこころ』、勉誠出版、2012年所収)に基づいて、大幅に加筆修正したことをお断りしておきます。)注?川崎拓人、飯倉義之「ラノベキャラは多重作品世界の夢を見るか?」(一柳廣孝、久米依子『ライトノベル研究序説』青弓社、2009年所収)?正確には、1978~79年に『comic jun』が刊行され、一旦休刊ののち1981~1996年まで『JUNE』が、さらに1982~2001年まで別に『小説JUNE』が刊行された。?北京でも、台北でも、「同人活動のどこが好きですか」という質問への回答として、「単なる暇つぶし」に続くのが、「仲間と遺書にやることに充実感がある」であることに注意しておきたい。北京では30名、台北では174名がそう答えている。163