ブックタイトルRILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

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概要

RILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

千葉県栄町龍角寺50号墳のデジタル三次元測量・GPR調査本社に送って修理。アンテナ上部のヒューズが破損していたことが判明)で中断した。【2.28】急遽、連携研究を締結している奈文研金田氏よりGPRアンテナ上部およびPCをお借りし、ナワビ氏(早大)の協力を得て大地区をGPR作業。【3.1】GPR小地区、10区分を設定。【3.2】GPR地区杭の座標を測量。【3.12】小地区のGPR作業。R1~ R6区、R8~ R9区終了。【3.13】小地区のGPR作業終了。R7区、R10区終了。【3.18】杭・スズランの回収。現状復帰。3.トラバース・水準測量(城倉)本調査ではArcGISを用いたデジタル測量(4)が目的であったため、世界測地系に基づく基準点設置を行った。龍角寺古墳群内では、龍角寺岩屋古墳の発掘の際に印旛郡市文化財センター・三葉測量株式会社が設置した基準点が岩屋古墳の南側にあり(図1)、この基準点を栄町教育委員会の許可を得て利用することにした。平成25年10月に設置された以下の3点である。PT11(X:-19810.000m.Y:40065.000m.Z:28.967m)PT13(X:-19790.000m.Y:40100.000m.Z:29.995m)PT16(X:-19795.000m.Y:40115.000m.Z:29.635m)この基準点には、TS(トータルステーション)を設置して誤差がない点を確認した上で、本調査での採用を決めた。岩屋古墳から50号墳までは、直線距離で約1kmあり、まずは50号墳付近の道路に恒久的な基準点を移動した。その後、プラスチック杭を古墳に設置して、測量を行った。最終的には、以下の合計3回のトラバース測量を行った。①世界測地系のトラバース測量:岩屋古墳の基準点から、50号墳北東側の駐車場前の道路杭3点までのトラバース路線。②調査区内トラバース測量:駐車場前の道路杭3点から、50号墳の後円部・前方部中心の基準点までのトラバース路線。③墳丘トラバース測量:50号墳の周囲に設置した調査範囲を明示する基準杭のトラバース路線。まずは以上3つのトラバース測量について詳述する。なお、トラバース測量にはLeicaTCR805、およびプリズムGPR1を使用し、座標は多角測量座標計算簿を用いて手計算で算出した。【世界測地系トラバース】既知点PT11を始点とし、50号墳北東の駐車場前に設けた道路杭(RK4・RK3・RK2)を経由して、既知点PT16を終点とする結合トラバース路線(PT13:後視→PT11→節点1~7→RK4→RK3→RK2→節点8~16→PT16→PT13:前視)(図1)である。夾角の観測誤差は+ 14秒で、均等補正を行った。夾角補正後の水平距離の誤差はX方向+ 53mm、Y方向+ 24mmで、観測距離に応じた補正を行った。このトラバースによって、RK2・RK3・RK4の基準点に世界測地系の座標を設定できた。【区内トラバース】既知点RK2を始点とし、50号墳の推定主軸上に設定した後円部のRK0及び前方部のRK1を経由して、既知点RK4を終点とする結合トラバース路線(RK3:後視→RK2→S1→S2→S3→RK0→RK1→S4→S5→節1→RK4→RK3:前視)(図2)である。夾角の観測誤差は- 7秒で、均等補正を行った。夾角補正後の誤差は、X方向+ 2mm、Y方向- 2mmで、観測距離に応じた補正を行った。このトラバースによって、墳丘測量の最初の基準となるRK0・RK1・S3・S4の座標を設定できた。【墳丘トラバース】既知点S3を始点とし、墳丘周囲に設置した基準点A ~ Iを経由して、既知点S4を終点とする結合トラバース路線(RK0:後視→S3→B→C→D→E→F→G→H→I→A→S4→RK1:前視)(図3)である。夾角の観測誤差は- 50秒で、均等補正を行った。夾角補正後の誤差は、X方向+ 3mm、Y方向+ 3mmで、観測距離に応じた補正を行った。以上の3回の結合トラバースによって、50号墳の測量の基準となる座標が設定できた。しかし、本調査ではTSを用いたデジタル測量を目的とするため、地形や樹木の死角がなくなるように選点し、K1~14の基準点を開放で設定した。そのため、墳丘測量に使用する基準点としては、RK0・RK1・S3・S4・A ~ I・K1~14の都合27点の基準点を設置したことになる。なお、以上の27点に加えて、デジタル測量に際して大地区の設定に用いたDS1~6、およびレーダー区の座標点を含めると、合計86点の基準点になるが、そのデータについては表1に示した。従来、早稲田大学が実施してきた等高線測量(城倉ほか2012・2014など)に比べて、TS217