ブックタイトルRILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

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概要

RILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

WASEDA RILAS JOURNAL以上、境内遺構の軸線に注目してみると、従来までの測量図の精度では見えなかった軸線の変容過程とその規則性を見出すことができる。おわりに本発表では、早稲田大学考古学研究室が2014年3?4月に行った千葉県印旛郡栄町に所在する龍角寺の測量・GPR(Ⅱ期1・2次)調査の概要を報告した。破壊を伴う発掘調査を行わなくても、地表面に残された地形情報や地中構造の把握でこれだけの考古学的情報を得ることが可能である。特に、古墳・寺院・都城・官衙・城郭など現地形に痕跡を多く残す大規模な構造物は、測量・GPRによる非破壊調査を中心に研究を進めるべきだと考える。非破壊で得られる情報を最大限引き出した後に、必要最低限の範囲で発掘を進めることで労力や費用、破壊を抑えることができる。今後、更に分析精度を高めると共に、事例を増やし、非破壊的遺構研究の手法を確立していきたい。また、本稿で対象となった龍角寺については、過去の調査成果の整理や新しい視点の調査を進め、伽藍配置の把握や瓦の分析などからその歴史的意義について考察を深めたいと思う。390