ブックタイトルRILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

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概要

RILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

パネルディスカッションけれども、暗示するような形で終えたのではないかという気がしますが。だけど、未完で終わっていますけど、最後に繰り返しになりますが、偶然というポアンカレーの言葉をもう一回出してきたということは、そこで大変な余韻を残しますよね。わたしが今言いましたのは一つの見方・推理ですけれども、そういう意味で言うと、未完ではあるけれども、ある種完結しているとそういう気がいたします。知らない方がいろいろと空想を飛翔させる楽しみを漱石が遺してくれたのではないかと、そういう読後感を持っております。中島:ありがとうございました。それぞれの方からいろいろとご意見をいただいて、一日やってよかったとつくづく思います。漱石の作品を読み返して、気がつかなかったということはたくさんあって、それはその都度、わたくしたちの本を読む体験、あるいは言葉というものによって自分たちがどうなっているのかということの体験になっていくと思います。この半日、あるいは一日が、皆さんにとってそういう場になればよかったと思います。改めて、コーディネーターとして本当に皆さんにお礼を申し上げたいと思います。鳥羽:司会やパネリストの皆様、どうもありがとうございました。本日のシンポジウムは「漱石の現代性を語る―没後100年、生誕150年を前に―」というタイトルでしたけれど、わたしが聞きながら思っていましたのは、クラシック音楽のことでした。200年前、300年前に作られたモーツァルトやバッハの音楽というのが、今でも現代的な解釈を持って演奏されていますけれども、先生方の解釈というのがまさに100年前に遺された漱石のテキストをまた新たに現代的に演奏し直すものになっていたと思います。そしてそれぞれの経験からの様々なアプローチを聞かせていただいて、非常に目を開かされる思いをいたしました。どうもありがとうございました。459