ブックタイトルRILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

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概要

RILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

WASEDA RILAS JOURNAL『オエディプス』に関しては,拙稿「セネカ『オエディプス』の独創性ピエタスをめぐって」,『比較文学年誌』51(2015)参照(11)John G. Fitch, ed., Seneca’s Hercules Furens, Ithaca,New York: Cornell University Press, 1987, 402(12)注10の拙稿参照(13)小川眞正廣(訳)『狂えるヘルクレス』(『セネカ悲劇集1』京都大学学術出版会1997)の解説参照.また『オクタウィア』に関しては,小林標(訳)『オクタウィア』(『ユークロニア』4,1974)の「訳者序」参照(14)Tacitus, Annales, 14.63(15)Ibid., 14.60. Henry Furneaux, ed., The Annals ofTacitus, Oxford University Press, 1907, Vol. II, 307(16)Annales., 14.61(17)Octavia, 593-645(18)拙稿「セネカの悲劇『テュエステス』のpietasについて」参照(19)Seneca, Thyestes, 176-335(20)Boyle, 107-108(21)Octavia, 614-618(22)Seneca, Medea, 911-915(23)特に断らない場合は,『オクタウィア』の訳文は『セネカ悲劇集』2(京都大学学術出版会,1997)の木村健二訳に拠る(24)Boyle, 112, 131(25)この韻律のみが「歌」において使われ,韻律的多様性を欠いているのは,『オエタ山上のヘルクレス』と『オクタウィア』の特徴で,両作品偽作説の有力な根拠となっている(26)拙稿「セネカの悲劇『狂えるヘルクレース』におけるuirtusの変容」参照(27)Octavia, 58-64. Boyle, 114.Rolando Ferri, ed.,Octavia: A Play Attributed to Seneca, CambridgeUniversity Press, 2003, 145-147(28)Annales, 13.16. Furneaux, 173(29)木村は「ローマの女たち」とし,フェッリは出自が明示されないローマ人たち,ボイルは2つの合唱隊を想定している,フィットマンは,オクタウィアの好意的な第1合唱隊と,ポッパエアに好意的な第2合唱隊と性格付けを明示して,2つの合唱隊を想定(30)Oxford Latin Dictionary参照.Boyle, 131(31)「勇気」uirtusと言う語が用いられている.Boyle,237. Ferri, 315-318(32)木村訳では「親衛隊長」,小林訳では「兵隊長」で,タキトゥス『年代記』に登場するティゲリヌスに同定されることが多い.ファエニウス・ルフスに特定する説もある.Boyle, 266. Ferri, 369-370.フェッリが詳細だが,ボイルはフェッリを踏まえている(33)hendiadys (?νδι?δυο?ν)(34)Boyle, 275. Ferri, 384-385(35)ギリシア語形のプロロゴスを用いる.合唱隊歌はスタシモンとはしなかった(36)この箇所のみ拙訳(37)impietasは語としてはセネカ劇全体でも一か所のみ(『狂えるヘルクレス』97)の使用だが,その表す内容に関しては,頻出する.多くの場合インピエタスが齎す悲劇的結末と言っても良い.『オクタウィア』においては,impietasは431で用いられるが,主人公にインピエタスは全くと言って良いほど見られず,ネロのインピエタス故に,悲劇的結果が生じる.Boyle, 180. Ferri, 247.形容詞形のimpiusはセネカ劇に複数回現れ,『オクタウィア』でも237,363,393,598,619,850で使われている.なお,否定形ではないpiusは270,485,504,760で使われ,それぞれ重要な意味を担っているが,これらの意義については後日の課題とする(38)Tacitus, Annales, 12.67(39)セネカに常套的な主題(40)木村は訳注で,タキトゥス『年代記』14.63を根拠に,「姦通」の罪が着せられることに言及している.ボイルもその可能性を指摘(121),フェッリ(157)も詳細に論じている(41)オクタウィアとブリタニクスの母,メッサリナが,元首(皇帝)の妻のまま,ガイウス・シリウスとの「結婚」(matrimonium)を前提とした不倫関係に陥って,「結婚式」(nuptiarum sollemnia)を挙げ,それが放蕩者たちの究極の快楽(nouissima uoluptas)だったことはタキトゥスが証言している(Annales, 11.26).紀元後48年のことで,それが主要な要因となって,メッサリナは殺される.Octavia,260-269(42)Octavia, 593-645(43)Suetonius, Nero, 49.2(44)Seneca, Thyestes, 1-121.しかも,ここでは,ギリシアのエリニュスに対応する,ローマの復讐の女神フリアにそれを促されている(45)Octavia, 523-550.ここでネロが「愛の神」(Amor)の至高性に言及し,それが行動原理となって,ポッパエアへの愛を貫徹するために,オクタウィアを排除することを宣し,それをセネカがストア哲学者の立場から抑えよ50