ブックタイトルRILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

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概要

RILAS 早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌

マラルメとローデンバックの舞踊思想について-マラメルの書き換えに見られる二人の舞踊観の相違からfemme mais une elementaire puissance resumant un des aspectsanalyses de notre forme, fleur, urne, flamme etc., [...] .≫(RevueIndependante, n o 2, p.248.)すなわち、踊り子は一人の女ではなく、踊る女ではない。なぜなら彼女は一人の女というのではなくて、基本的に可能態なのであり、我々の形である花、壺、炎などの分析からなる外的様相の一つを要約するのだ。(29)92年に発表されたローデンバックの代表作である『死都ブリュージュ』で、主人公ユーグを翻弄する悪女ジャーヌがバレリーナであることが、この『パージュ』での舞踊評論からの影響を受けたものであるのかは、今後別の箇所で検討する必要があるだろう。(30)OCⅡ, p.177.(下線筆者)(31)Amitie, op.cit., p.146 (Le Figaro, 5 mai 1896).(下線筆者)(32)Ibid., p.147.(33)Ibid., pp.145-146.(34)大鐘敦子は、ローデンバックがマラルメにおける「ヴェール」の重要性を指摘したと言及している。『サロメのダンスの起源』――フローベール・モロー・マラルメ・ワイルド』、慶應義塾大学出版会、2008年、p.180.(35)Amitie, op.cit., p.146.(36)OCⅡ, p.177.(37)ジャン・モレアスの「象徴主義宣言」(1886年)でもヴェールの重要性が説かれている。各人がヴェールをいかに考えていたのかは重要な問題である。(38)Amitie, op.cit., p.145.これはローデンバックがマラルメの舞踊論を紹介し熱く語るくだりであるが、「身体が一枚の紙となり、詩は自ずと書かれる」からはローデンバックが舞踊を本質的に理解していたのかどうか不明である。マラルメは舞台を紙に、身体をペンに見立てていたのであり、舞踊の本質を捉えている。(39)OCⅡ, p.163.61