イナルコ・プロジェクト
イナルコ・プロジェクト分担者 丹尾安典
プロジェクト概要
このプロジェクトは、イナルコ[INALCO(Institut National des Langues et Civilisations Orientales)、フランス国立東洋言語文化研究学院]のCEJ[Centre d’Etudes Japonaises 、日本研究センター]に所属するスタッフとの連携よっておこなわれる共同研究である。イナルコ側では、すでにこの計画に対する助成申請をフランスの総合研究指導機関 ANR(Agence Nationale de la Recherche)に提出し、研究資金獲得の見込みがたっている。
プロジェクト計画
- 2009年6月10日に、イナルコのアンヌ・バヤール -坂井(Anne Bayard-Sakai)教授およびミカエル・ルッケン(Michael Lucken)教授と、中島国彦・十重田裕一・千葉文夫・陣野英則・丹尾安典等の重点研究領域申請者たちとの打合せがおこなわれた。その際に、共同研究のテーマを「記憶の痕跡」とすることが決められ、戦争が終結した 1945年から今日にいたるまでの期間を中心に、日本における歴史言説や文学・視覚イメージ等の表象文化が、「記憶装置」として過去とどのように対峙してきたかを、検証してゆくこととした。また、イナルコ・早稲田の両者が参加するワークショップを毎年交互に開催することも合意された。
- 2010年・2012年は東京で、2011年はパリで開催し、2012年にはパリで総合的なシンポジウムをひらく予定。そして、2014~2015年にかけて、その成果を刊行物に集約させることができれば、と考えている。
- 2010年のワークショップについては、ある程度の詳細は決まっている。開催日は 10月 16日(土)である。当日は、イナルコ・早稲田両者の専任スタッフのみならず、博士課程の学生や非常勤講師等をふくめた幅広い層の研究者の参加をうながし、それぞれの研究テーマを提示してもらい、参加者相互の研究連携の可能性をさぐりつつ、問題の共有化をはかってゆくつもりである。
- なお、当プロジェクトの研究テーマと関連する企画として、文部科学省オープン・リサーチセンター整備事業の助成を得て會津八一記念博物館がおこなった「記憶と歴史 日本における過去の視覚化をめぐって」と題するシンポジウムの報告書が 2007年 3月に刊行されているので、適宜これを参照していただきたい。
(早稲田大学国際日本文学・文化研究所(WIJILC) News Letter No.1 2010.1より)