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各プロジェクトの概要

ここでは各プロジェクトの概要を解説します。

WIJLCでは、五つの基幹プロジェクトをハブとして、日本文化研究・文化研究を行う様々な組織や学会とのコラボレーションも積極的に行います。海外の日本文化研究機関との連携強化、大学院や学部における教育も含めて、その活動は多角的且つ多面的なものになるでしょう。各プロジェクトは研究代表者が配され、それぞれの研究活動も行っておりますが、時にプロジェクト同士が連絡しあい、さまざまな研究手法と研究対象を相手に、日本文学・文化の多様性を解明していきます。

コロンビアプロジェクト

  コロンビア・プロジェクト

コロンビア・プロジェクト報告 コロンビア・プロジェクト報告本プロジェクトにおいては、欧米、ひいては世界における日本文学・日本文化研究の最重要拠点というべきコロンビア大学東アジア言語文化学部の教員ならびに若手研究者たちとの継続的な共同研究を推進してゆく。
  本学の大学院文学研究科は、コロンビア大学との間でダブル・ディグリー・プログラムを設けている。これは、文学研究科博士後期課程の学生と、コロンビアの Ph.D.コースの学生が、相手方の修士課程に留学して修士の学位を得るというユニークなプログラムである。双方の研究機関としての「強み」を利用しつつ、今後の国際的な日本文学・日本文化研究を担うべき優秀な大学院生を育成してゆく仕組みといえよう。
  こうした研究者養成プログラムとリンクする形で、コロンビア大学との研究面での交流も既に積み重ねられている。たとえば、2008年 3月には本学の兼築信行教授が、また 2009年 3月には十重田裕一教授が、コロンビア大学にて授業を担当するとともに、国際シンポジウム・ワークショップに参加し、コロンビア大学のハルオ・シラネ教授、鈴木登美教授たちと協力して大きな成果をおさめている。一方、2007年 11月にはコロンビア大学のポール・アンドラー教授に、2009年 1月にはハルオ・シラネ教授に、早稲田での特別講演をお願いし、いずれも好評を得ている。

イナルコプロジェクト

  イナルコ・プロジェクト

このプロジェクトは、イナルコ[INALCO(Institut National des Langues et Civilisations Orientales)、フランス国立東洋言語文化研究学院]のCEJ[Centre d’Etudes Japonaises 、日本研究センター]に所属するスタッフとの連携よっておこなわれる共同研究である。イナルコ側では、すでにこの計画に対する助成申請をフランスの総合研究指導機関 ANR(Agence Nationale de la Recherche)に提出し、研究資金獲得の見込みがたっている。

アジアプロジェクト

  アジア・プロジェクト

歴史的に見て、日本の文学・文化がもっとも多くの影響を受け続けてきたのは、中国・朝鮮半島からであったことは、改めて言うまでもないことである。双方の影響関係は今なお活発で、新たな展開や局面をも見せている。当プロジェクトでは、過去の交流・受容の検証とともに、こんにちの相互交流の促進も模索する。これまでに築いてきた中国・韓国の諸機関・研究者との連携を一層密にし、必要に応じて随時、共同研究・シンポジウム・講演会等の学術交流の場を実現させる態勢が整っている。

メディア・書物・注釈プロジェクト

  メディア・書物・注釈プロジェクト

本プロジェクトにおいては、早稲田大学図書館等、大学所蔵の文学・語学資料のデータベース構築及びその活用により、若手研究者を育成、研究活動に巻き込みながら、新たな本文研究、注釈研究を提示してゆく。また、注釈、書物、挿絵等についてのメディアとしての意義に関する研究の展開を期する。

現代・制度・都市プロジェクト

  現代・制度・都市プロジェクト

本プロジェクトでは、近現代文学研究者と近現代史研究者とが共同して、文学や演劇映像などをふくむ文化の展開と、現実の環境の史的展開との関係を総合的、かつ国際的に研究する。具体的には、「制度」と「都市」をキーワードにして近代以降の日本文化の特質を明らかにすること、そこでの「日本」という表象・「アジア」という表象に関する新たな問題を提起すること、などである。
  したがって、本プロジェクトは、「コロンビア・プロジェクト」「イナルコ・プロジェクト」「アジア・プロジェクト」「メディア・書物・注釈プロジェクト」の研究と関わり、それらを随時補完するとともに、全体をまとめあげる役割を担う。研究員は、本プロジェクトに関心を持つ多数の若手研究者らと、他のプロジェクトの研究に参加し、そこで得られた成果をも活用して本プロジェクト研究を推進する。