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コロンビア大学からDDP中間報告(続)

日下 力

3・13、14
 Long Island の Sound Beach に住む長瀬絵葉さんを訪ねる。2時間の列車の旅。絵葉さんは、ニューヨーク州立大学のStony Brook 校で教鞭を取られており、国際教養学部の学生を中心に早稲田からの留学生受け入れの責任者を務めておられるとのこと。今年は文学部からも2人来ているよし。絵葉さんは、私の昔の教え子の親友で、一度お会いしたことがあったが、今回、物理科学者として国立研究機関にお勤めのご主人とも親交を深めることができ、楽しい旅であった。風雨に見舞われた旅が、その風景とともに印象に残る。
3・15
 ノイエ美術館で、OTTO DIX 展を見る。第一次世界大戦で砲兵として参戦、戦争の惨状を迫力のあるモノクロの細密画として残した画家。初めてその存在を知ることができた。美術館へは、コロンビア大学の教員証を提示することで、無料または割引で入れるのは、ありがたいことであった。
3・17
 今週は一週間、大学の休暇に当たるので、授業はなし。17日はセント・パトリック教会の祭りということで、バグ・パイプの演奏による大行進を見る。アメリカの歴史は移民に始まることを、改めて思う。
3・19
 十重田裕一先生、来米。同じホテルに宿泊。22日にコロンビア大学で講演を行い、翌日はプリンストン大学での学会に出席、口頭発表をされる予定とのこと。
3・20
 シラネ先生の奥様、鈴木登美先生の父上の訃報を知らされる。お二人とも日本におられ、葬儀を済まされてから離日されるとのことで、それは、私が帰国した後の28日。ニューヨークでお会いすることは、できないこととなる。それでも、教え子の方々が、色々取り計らってくださり、最終授業など、滞りなく済ませることができそう。
3・22
 午後4時より6時まで、十重田先生の「占領期の『日本文学』」というタイトルによるレクチャーと、それに続く大学院生との討論会。資料が整備され、インターネット検索で様々な課題が追求可能となった状況を紹介され、触発された大学院生諸君の活発な発言が続いた。その後、十重田先生の歓迎会と私の送別会を催してくださる。20名前後の出席。