Vol.35

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卒業生の声 Vol.35
【教育事業】
堀尾 侑加

Horio Yuka

仏文の先生は魅力的だし、
そんな先生に惹かれて集まる学生は
期待を裏切らず、素敵です。

 

──どうして仏文に進んだのですか?
社会学コースに進級しようと思っていたのですが、社会学の授業を受けても「コレだ!」と思える分野を見つけられずにいた時、鈴木先生の宣伝に誘われて覗いた仏文ガイダンスで「仏文は広く何でも学べる」と知りました。自分の興味関心が四方に飛ぶなら、四方に飛んでも受け皿がある仏文はアリかもしれない。「何を学びたいか」で決められないなら「誰と学びたいか」で決めるしかないなと思い、どのコースより温かい雰囲気のある仏文に決めました。

 

──仏文を選んでよかったことは何ですか?
学問の面でも、その他の面でも、等身大でいられること、自分のペースが保てることです。広く学べる仏文だから、興味のある分野をつまみ食いしたり、今まで知らなかった分野に手を出してみたりすることもできます。そして仏文だからといってフランスばかりじゃない。日本文学が好き、哲学に興味があるという学生もいて、フランスに関することに詳しくなければというような変なプレッシャーもなくのびのび自分の感性に従って学べました。

 

──仏文で印象的だった講義は何ですか?
フランス詩です。2年生の必修の授業でオディール先生が毎回フランスの短い詩を紹介してくださいました。日本の詩と比べてフランスの詩は、音の響きに対するこだわりが強く、韻を踏む以上のニュアンスや意図が込められていて、詩人たちが技巧を凝らした美しいフランス語の響きに魅了されました。振り返ってみると、卒業までコンスタントに授業を受けていたのはフランス詩で、それは卒論を書く上でも活かすことができました。

 

──卒論は何をテーマに書いたのですか?
フランス語の職業や役職名詞における「女性形表記」に対する抵抗感について「発音」の観点から書きました。同じフランス語を話すベルギーやカナダのケベック州と比較すると、フランスは職業・役職名詞の女性形の使用が少ない現状があります。それはなぜなのか、フランス詩で気づいた「音へのこだわり」を出発点に卒論を書きました。好きで勉強していたフランス詩の知識や視点を活かすことができ、最後まで楽しく書くことができました。

 

imgParoles3101──就職にあたって仏文でよかったことは?
塾講師のアルバイトをしていて、人が変化する瞬間や成長するタイミングに関われることは尊いことだなと思い、教育業界を選びました。仏文で良かったことは、一緒に頑張る仲間が居たことです。また、仏文には仕事を退職された後もう一度大学で学びたいと入学された方もいて、最終的な就職先を決める時にも快く相談に乗ってくださいました。就活について相談しづらい雰囲気が仏文にはあまりなかったことが、結果として心の支えであったと思います。

 

──迷っている後輩にアドバイスをするとしたら?
「自由に自分のペースで学びたい」「自分の好きなことに没頭したい」そんな人には、仏文はきっと居心地が良いと思います。そして「何を学ぶか」も大事ですが、それと同じくらい「誰と学ぶか」も大事だと、私は思っています。学びたい学問が明確に決まっている人も、そうでない人も、決して短くない時間を過ごす環境をせっかく選べるので「どんな人と学びたいか」という視点も考慮して先生方や学生たちを見てみると納得感のある選択に近づくのではと思います。