Vol.38
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卒業生の声 Vol.38
【商社】山崎 陽子
Yamazaki Yoko
留学した理由も、卒論のテーマも、
文学ではなく「チーズ」
それができたのは仏文だからです。
──なぜ仏文に決めたのですか?
幼い頃から「食」や「農」という分野に強い関心があったので、社会学コースにも興味があり、いろいろつまみ食いしたくなる性格もあって、コース選択にかなり迷っていました。そんな時、仏文の先生の「フランスに関わることであれば何でもできるよ」という言葉に背中を押され、仏文を選びました。フランスは農業大国でもあり、仏文なら以前から関心のあった「食」や「農」を海外の視点から考えられると思ったことも理由にひとつです。
──仏文でよかったことは何ですか?
自分が興味のあるテーマについて「フランス」という軸を通して考えられたことです。「食」や「農」にフランスという視点を掛け合わせてひらめいたのが、フランスが本場である「チーズ」でした。だから仏文に入った時から、文学には興味がなく、チーズにしか興味がないと言い続けていたのですが、まったく問題なく、本当に自由にやらせてもらい、チーズのために留学すると決めても、驚くどころかさまざまなサポートをしてくださいました。
──チーズのために留学したのですか?
そうです。フランスのトゥールに行き、職業専門学校の乳製品のコースでチーズに関して学びました。大学の留学プログラムではなく、自分で受け入れ先を探しての留学だったので、3年の秋学期から1年間休学したんです。その際も、留学の期間と授業が重なってしまうなどうまくいかないこともあったのですが、なんと先生が柔軟に対応してくださいました。学生一人ひとりの挑戦を尊重して、支えてくださる姿勢に何度も助けられたんです。
──卒論もチーズをテーマに書いたのですか?
フランスの原産地呼称制度(AOC/AOP)と日本のGI制度を比較し、チーズを事例に食と地域ブランドがどのように結びついているのかを考察しました。これらの制度は、特定の地域で生まれた食べものの特徴や価値を守り次世代へ伝えていくための仕組みで、日仏の制度の違いだけでなく、その背景にある文化や価値観の違いにも気づきました。時間をかけ一つのテーマに向き合い興味を深められたのは仏文だからできた経験だと感じています。
──就職にあたって仏文でよかったことは?
仏文にいることで積み重ねることができた経験が、結果的に進路選択につながりました。自分の興味を出発点に、チーズを学びたいと留学するなど、自由に行動することができたから、想像もしていなかった出会いや選択肢が次々と広がり、グローバルな視点だけでなく、地域や文化に根ざしたローカルな視点を持つことができたことで、さまざまな国や分野に関わり、人と人、地域と世界をつなぐ商社という進路を選ぶきっかけになりました。
──迷っている後輩にアドバイスするとしたら?
「フランス語が得意じゃないと無理」と思わなくて大丈夫です。私自身、成績があまり良くありませんでしたが、授業で少しずつ触れていくうちに自然と理解できるようになるし、語学レベルに合わせて授業と向き合うことができるので心配しなくて大丈夫です。何を学びたいかまだはっきり決まっていない人に仏文は向いています。「好き」や「気になる」を大切にしながら学びの中で少しずつ自分の軸や強みを見つけていけるコースだからです。
