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卒業生の声 Vol.4
【大学職員】
西廣 紀征

Noriyuki Nishibiro

美術・建築・音楽・ファッション、
フランスの豊穣な世界に触れることで
今後の人生はきっと豊かになります。

 

──なぜ仏文コースを選んだのですか?
高校2年生の時にオープンキャンパスで初めて早稲田大学を訪れ、校風や高いレベルの研究成果に魅了され、どうしてもこの大学で学びたいという想いが強くなりました。私は高校時代からフランスに興味があり、必修外国語では迷わずフランス語を選択しました。大変魅力的な授業に出会うことで、文法や単語の構成を知ることに対してとても興味が湧き、語学的視点からフランス語を学んでみたいと思い、仏文コースに進みました。振り返ってみると、仏文に進んだことで、入学当初よりも大変充実した日々を過ごすことができ、多くの知識や教養を身に付けることができただけでなく、これまでに発見することのなかった「新たな自分」を発掘することができました。

 

──フランスの何に興味があったのですか?
フランス語はもちろんのこと、ファッション、美術、建築など、フランス独自の文化に対してとても興味を持っていました。その中でもシャンソンに大変魅力を感じ、卒業論文は『セルジュ・ゲンスブールのシャンソン歌詞について語学的視点から考察する』という方向で執筆させていただきました。フランス語学を主体として学ぶ中で、セルジュ・ゲンスブールの人物像と彼が創り上げた歌詞の世界に惹かれ、語学的視点から彼のシャンソンを研究するという新たな方向性を見つけたのです。

 

──研究テーマは自由に選べるんですね?
仏文においては、フランスに関する事柄ならば、研究テーマを自由に設定することができます。例えば、「語学」というテーマで研究を進めたいと決めた上で、文法や単語そのものに焦点を定めて考察を加える方法だけでなく、私のように、フランスの文化と密接に結びついた「シャンソン」、とりわけその歌詞に焦点を当てて、語学的考察を行う方法もあります。文学や語学、文化などテーマの範囲はとても広く、どのような観点から研究を進めるのかによって、研究テーマは無限大に広がるでしょう。

 

──フランス語はマスターしましたか?
私は大学に入学してから初めてフランス語を学び始めました。しかし、仏文でしっかりフランス語を学び続けてきたことで文法だけでなく、自分の考えをフランス語で述べる力もつけることができました。フランス語力は丁寧に学び続けることで着実に伸びます。フランスという国に興味を持っている人はぜひとも、仏文に進んで様々な知識を吸収していただきたいと思います。

 

imgParoles0301──大学に就職したのはなぜですか?
私は多様なバックグラウンドを持った人が集う「大学」という場所に大きな可能性を感じており、大学そのものを支えていく仕事がしてみたいと思っていました。大学2年生の時に「大学職員」という職業があることを知り、その時から第一志望の職業として認識していました。今後は仏文で培ってきた能力や経験を充分に生かして、教育、そして社会に対して、大きな貢献ができる社会人として頑張っていきたいです。

 

──就職で仏文だったことは有利でしたか?
私自身は、就職活動においては、出身学部やコースによって内定が決まるとは考えていません。しかし、フランスという豊かな文化や、文学をはじめとする非常に優れた芸術作品を数多く輩出してきた国に目を向け、様々な作品群を通して、新たな知識を吸収することで、これまでよりも豊かな発想が思いついたり、新たな自分像を見つけることができます。仏文はこのような点において、非常に魅力的で、発想の異なる友人同士で刺激しあうことで、多くの発見ができる素晴らしい環境を持っています。この環境を充分に活用することで、就職活動においても自分らしさを忘れることなく、臨むことができると思います。

 

──コース選びについて後輩へのアドバイスは?
まず、大学では「外国の文化に触れてみる」ことをぜひお勧めします。様々な魅力を持った国々が集うヨーロッパの中でもフランスは興味を惹かれる領域がとても多く、歴史も古いため、多様な分野で優れた功績を残し続けています。フランスが持つ豊穣な世界に触れて新たな知識や未知なる体験に接することは、今後の人生に大きな影響を与え、豊かな発想を育むことができる、と私は考えています。また、「自分の考えを積極的に発信する」というフランス人の姿勢に触れると、初めて気づかされることも多く、刺激を受けて留学や旅行に出かけるきっかけになることも少なくありません。ご指導される先生方も、大変魅力的で、授業はもちろんのこと、たとえ不安や心配なことがあっても、親切に相談に応じていただけます。このように新たな発見に満ちた仏文という場所で過ごし、自分だけの世界観を構築していただきたいです。そして、仏文で学ぶあらゆる事柄について、自分なりの考えを固める時間をぜひ過ごしていただきたいです。