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卒業生の声 Vol.16
【大学院修士】
赤沼 智美

Akanuma Tomomi

仏文といっても文学だけじゃない、
美術、文化、語学、哲学、歴史、
本当に何でも学ぶことができます。

 

──最初から仏文に進むと決めていましたか?
まったく決めていませんでした。まぁ文学部なんだから、たぶん文学的なことをやるんだろうなぁと、漠然と思っていただけです。でも今思えば、ドイツ騎士団のことをやってみようとか、北欧も気になる、歴史系もいいかもしれないなど、興味や関心は広く、いろいろ変わっていたように思います。そんな私なので、何かはっきりとやりたいことが決まっていて仏文に進んだわけではないんです。

 

──それでも仏文を選んだのはなぜですか?
仏文に進んだのは、興味あることがあまりに幅広く、コースを決める2年生の時に絞りきれなかったからです。でも仏文を選ぶ切っ掛けとなったことはあります。それは1年生の時に受けた鈴木先生の仏文のオンデマンド授業です。授業を面白いなぁと感じたのはもちろんですが、私が提出した感想文のようなレヴューを覚えていてくださり、先生の方から「仏文だったらこういうのを読んだら面白いですよ」と声をかけてくださったんです。そんな先生と学生との距離の近さに心惹かれました。

 

──仏文に進んでみて実際はどうでしたか?
大正解でした。なんといっても「何をやっても良い」と言われたことが、私にとってすごく有り難かったですね。なにか1つの分野に絞らなくていい仏文だったから、私が卒論で書いた『メルロ=ポンティの芸術論』のように、美術史と哲学の中間みたいなことをテーマにすることができたんです。もし美術史科、哲学科のどちらかに進んでいたら、そのコース以外の分野に手を出すことは難しかったと思います。

 

──仏文で美術史も哲学も学べるのですか?
もちろん仏文ですから、文学の授業は充実していますが、芸術関係の授業も哲学の授業もあります。だからいろいろつまみ食いしながら、人文学的に領域全体を見渡して、自分に一番合うものをカスタマイズしていくことができるんです。まず何かを決めてから学ぶのではなく、いろいろ学びながら自分はこういうことをやっていけば良いと決めていくことが許される仏文で、本当に良かったと思っています。

 

──修士課程に進むと決めたのはなぜですか?
本当に好きなこと、やりたいことが見つかったのだから、学問でそのまま行った方が良いと、迷わずに大学院への進学を決めました。博士課程まで行きたいと思っていますが、今までのようにやりながら考えて決めていきます。高校で、少しだけどフランス語をやりフランスにも短期留学もしているし、音楽はラベルやドビュッシーが好き、文学もサンテグジュペリ、今思い返してみると、仏文は必然だったのかもしれません。

 

imgParoles1601──大学ではフランスに留学はしなかったのですか?
3年生の後期から4年の前期にかけて1年間交換留学で、ストラスブールに行きました。
ストラスブールは、ドイツと共生している文化の交差点ともいえる、フランスのなかでも変わった都市なのですが、そこが魅力的だと感じ選びました。たまたま同じ仏文で一緒に大学院に進学する仲のよい子が一緒に留学していたので、助け合いながら充実した時間を過ごすことができました。

 

──仏文を選ぼうという後輩へのアドバイスは?
いろいろやってみたいことが多すぎて決めらない、もしくは自分のやりたいことがよく分からない、どちらであっても仏文なら大丈夫です。文学はもちろん、美術も、文化も、語学も、哲学も、歴史も、仏文なら、本当に何でもできます。まずやってみて、学んで、知って、そこから一番好きなものを見つければいいし、たとえ途中で方向転換しても、仏文の先生方なら必ず応援してくれますよ。