卒論の手引

卒業論文について

 

  1. 1. 予備作業 テーマを自由に選ぶ

大きなテーマを選び、そのあとで、より限定した具体的なテーマを見つける(限定する)。
 
- 文学、文化に関する研究

 

- 未翻訳の仏文テキストの翻訳 (導入部に作品紹介をつける。また、わかりづらい、説明が必要な箇所には注釈や説明をつける。参考文献もつける)

 

  1. 2.   大きなタイトル(=4年次10月に提出する題目)+副題(卒論提出時に付け加えることができる

 

- 作家論・作品論の場合

選んだ作者の複数の作品の中から、ひとつないしいくつかを選ぶ(例1:『クレチヤン・ド・トロワ論』→『クレチヤン・ド・トロワ論 ―「イヴァンまたは獅子の騎士」について』;例2『バルザック論』→『バルザック論―パリの生活情景にかんして』)。

 

 

– ジャンル論の場合

同じジャンルに属する作品を複数検討する(例:『フランス中世叙事詩の世界』→『フランス中世叙事詩の世界―「ロランの歌」の構成を中心に』)

 

- テマティック(特定の主題・モチーフにかんする論文)の場合

そのテーマの現れる作品を収集し比較検討する(例1:『フランス文学における狂気のテーマ』→ 『中世フランス文学における狂気のテーマ ―トリスタンの狂気とヒエロニムス・ボッシュについて』;例2:『さかさまの世界』→『さかさまの世界―「オーカッサンとニコレット」における男女の役割の転倒』→現代のジェンダー論との関連)

 

  1. 3.   具体的な作業(卒論演習に出席しながら)

 

4年度の夏休み終わりまでには、テキストを読みこんでおくこと。文化論,映画などは,資料を見るなり読むなりして,内容や感想をメモしておく(ワードやメモ帳,あるいは京大型カード)。そして、ひとつの主題にかんしてとにかくワードを用いて書き始めてみる。序文から書き始める必要はない。それにタイトルを付けて保存しておく(パソコン用ファイルソフトを使ってもいいし,手書きで京大型カードをつかってもよい)。書いているうちに新しいアイデアが浮かんでくるものである。⇒ 折々に書き留めたいくつものタイトルを見渡して,より大きな主題に収斂させる。⇒ 論文の構成(各章のタイトルを考える)を考えて仮の「目次」を考える。また,卒論演習で発表しながら各章の内容をまとめる。

 

  1. 4.   言語と長さ 

 

- 日本語の場合 : 4万字以上

400字詰め原稿用紙に換算して100枚以上が原則。横書きで注は、(文末脚注でなく)各ページの下にレイアウトされる脚注がよい

 

- フランス語の場合 : 16,000単語以上

(カナダ式キーボード使用推奨)

 

  1. 5.   研究の進め方

 

- 卒論演習のゼミで発表する。

 

- 翻訳のある作品はそれを利用してもかまわないが、フランス語の引用は原書からおこない、翻訳を付す場合には、自分で訳してみること。そのさい既訳を参考にしてももちろんよいが、その書誌情報を注などにしるしておく。また、ウィキペディアの類のサイト情報は、あくまでも手がかりとして利用すること。

 

- 資料収集:必要な原書は早めに入手しておく。
フランス図書(URL参照:http://www.francetosho.com/
☎03-3346-0396
mail:frbooks@sepia.ocn.ne.jpに注文したり、インターネットのアマゾン,紀伊国屋書店などを利用する。神田神保町の田村書店2階洋書部で意外に安く入手できることもある。

 

- これまでなされてきた日本語での研究は、『フランス語フランス文学研究文献要覧』で検索できる(日外アソシエーツ刊行。戸山図書館B1・仏文コース室にあり←早稲田大学図書館のDBで引ける)。

 

- 翻訳の有無は、『翻訳図書目録』(日外アソシエーツ刊行、戸山図書館B1にあり)でわかる。

 

- 早稲田大学図書館の利用。とくにWINEでの検索に慣れておくこと。また中央図書館一階のレフェランス・カウンターを積極的に利用すること(戸山図書館のレフェランスも利用できる)。図書に関してわからないことは、レフェランスで何でも尋ねられる。

 

- フランス文学コース室(39号館3階)には、卒論の見本があり、辞書・参考書もあるので、ときどき行ってみることを勧める。助教の先生やTA(博士課程の学生)の在室時間をチェックして、その時間に訪ねるとよい。

 

- フランス語フランス文学コースのホームページにもいくつか便利なリンクは(データベース、辞書)載せてある。

 

  1. 6.  基本的な論文構成

 

1. 目次

2. 序論(前書き)

3. 本論(章別)(第1章,第2章,第3章 etc.)

4. 結論

5. 書誌(参考文献の表)

 

  1. 7.   引用 

 

引用したテキストや研究書は、必ず本文や注の中で、原文を添えて自分で日本語に訳したうえで、引用符と脚注をつけて、出典を明示する。

 

  1. 8.   脚注  

 

- 場所は自由(学術論文の場合は巻末ではなく各ページの下にその都度記されている方が読みやすい。ワードの脚注機能を利用するといい。)

 

- 和書 (例):

単行本:聖ベルナルド,古川勲訳『謙遜と傲慢の段階について』, 東京, あかし書房, 1981年, p. 333.

雑誌論文:橋口倫介「ジャン・フロアサールの歴史観と心性」,『上智大学中世思想研究所紀要 中世研究』第9号,1995年,p. 328.

 

- 洋書(例):

単行本: Paul Meyer, Les derniers troubadours de la Provence, Paris, F. Franck, 1871, p. 222.

雑誌論文: Istvan Frank, « Babariol babarian dans Guillaume IX », in Romania, t. LXXII, pp. 227-234.

 

- 同じ物を2回以上引用する時は、2回目から次のようにする。

- 和書 (例):

聖ベルナルド,前掲書, p. 35.

- 洋書(例):

Paul Meyer, op. cit.,p. 232.

 

- インターネットからの情報は取り扱いに注意。サイトの記事をそのまま取り込むのは不可。サイトを利用するときは、きちんと出典を明示すること。

    

  1. 9.   参考文献 

 

フランス人と日本人を分けてリストにする。

 

  1. 10.  表紙 

 

提出者の名前、指導教授の名前、論文タイトル、提出年を明記(早稲田大学文学部のサイトを参照)