卒業生の声 Vol.20
【県庁】三木 大輝
Miki Daiki
もしやることが決まっていないなら
幅広いジャンルで学べる仏文で
ゆっくり探すことをおすすめします。
──なぜ仏文に決めたのですか?
最初は哲学をやりたいと思っていたのですが、第二外国語でフランス語を選び、実際に学んでみたことで、フランス文学にも興味をもったんです。コースを決めるときに、どちらにするか迷い、決めかねたので、哲学コースではなく仏文コースにしました。なぜなら仏文なら文学はもちろん、サルトルやベルクソンなど哲学者についても研究テーマにでき、両方が射程圏内だと思ったからです。
──哲学と文学、どちらを選んだのですか?
最終的には、文学を選びました。哲学と文学どちらもやってみて、本気で哲学を追求するよりも、自分の興味は文学にあると分かったからです。今思えば、コース選択の際に、哲学に固執しなくて良かったと思います。そうでなければ哲学以外のことはできなかったし、哲学から文学への方向転換は難しかったと思います。選んだのが仏文だったから、哲学と文学どちらも学べたし、ジャンルを変えることもまったく問題なくできました。
──途中で研究テーマを変えていいのですか?
そもそも仏文では、文学はもちろんですが、フランスに関わることなら何を研究してもいいんです。哲学もできるし、言語や歴史、映画・絵画・音楽などの芸術や建築、ファッションやワインをテーマに卒論を書いた人もいます。だから興味の対象が変わることは珍しくなく、ジャンルの大きな舵きりも、ごく当たり前のようにできます。他のコースのことは分かりませんが、たぶんそれは仏文ならではの、大きな魅力だと思います。
──卒論は何をテーマに書いたのですか?
卒論は『エミール・ゾラと第二帝政期フランスの資本主義―「ボヌール・デ・ダム百貨店」を中心にー』。19世紀に自然主義という文学潮流を起こした小説家エミール・ゾラについて書きました。ちょうど興味がもてるジャンルを探していたとき、川瀬先生が授業で「ボヌール・デ・ダム百貨店」に触れたので読んでみたら、とても面白く、結果的に卒論のテーマになりました。小さなヒントでもアクションを起こすといろいろな発見がありますよ。
──卒業後はどんな仕事をするのですか?
故郷に帰って県庁で働きます。当初はインフラに関わる仕事をしようと就職先を考えていて、鉄道関連が希望だったのですが、それでは駅を基点にした開発にしか関われないと思い直し、県庁を選びました。もっと広範囲に、今本当に重要な課題となっている山間部のことまで、しっかり腰を据えて関われる公務員として、県庁で働くべきだと考えたからです。
──仏文であることが就職に役立ちましたか?
ダイレクトに役に立つことはないかもしれません。でも自分の意思でテーマを見つけ、熱意をもって取り組んでいれば、それをちゃんと言語化して伝えることができるはずです。それはきっと就職活動でも、就職してからでも、役に立ちます。さらに仏文では必ずフランス語を学ぶので、自ら検定を受けて級をとれば、アピールできると思います。そのレベルが高ければ、仏文で頑張ってきたことを伝えやすく、面接官にも分かりやすいはずです。