卒業生の声 Vol.19
【大学院修士】青池 瞳
Aoike Hitomi
研究すればするほど興味が広がる
彫刻家ジャン・アルプを
大学院でも追求していくつもりです。
──なぜ仏文に決めたのですか?
もともと美術や芸術に興味があったので、当然のように美術史コースに進むつもりだったのですが、1年生の時にフランス語を選択したことで仏文コースにも興味を持ちました。美術史コースなら日本美術や東洋美術など、あらゆる地域の美術について学ぶことができる。仏文なら自分がやりたかった西洋美術に絞って研究することができる。どちらにすべきか考えて、仏文を選びました。
──仏文を選んでよかったと思いますか?
勉強してみて、芸術というものは、芸術、音楽、文学などそのジャンルだけを学ぶのではなく、それらが深く関わっていること、歴史的、社会的な影響を色濃く受けていることにも意識を向け、研究をすすめることが大切だと分かりました。その点、仏文には、すぐ近くに自分とは違うさまざまな分野を研究している友達がいるし、サポートしてくださる先生方の専門も幅広い。だから広い視野を持ちつつ研究することができたと思います。
──他にも仏文ならではの魅力はありますか?
やりたいことが変わっていくことに対して寛容なところだと思います。研究テーマに関しても、実際にやってみて違ったと気づくこともあるし、後からもっと好きなテーマに出会うことあります。人の興味は変わっていくものだし、私たち学生にとって、変えられること、変えることを前向きに受けとめてもらえることは、とてもありがたい。それが仏文ならではの心地いい雰囲気を作っているのかもしれません。
──仏文ならではの雰囲気とは?
自由です。いい意味でゆるい。こうでなければダメと決めつけるところがないから、好きです。個性豊かな先生たちがまさに仏文の縮図で、一人ひとりすごく違います。研究の分野はもちろん、趣味も性格もバラバラ、なのになんとなく一緒にいて心地いいんです。それは友人や先輩との関係も同じで、みんな一緒に楽しくしたいという人も、できればあまりべったりしたくないという人も、どっちにとっても居心地がいいのが、仏文です。
──何について卒論を書いたのですか?
卒論は『アルプ論ーダダ、具体的共同―』です。彫刻家であり、画家であり、詩人でもある20世紀の前衛芸術家で、ダダイズムという運動にも参加していたジャン・アルプについて書きました。国立近代美術館で見て、白く丸っこい生命体みたいな不思議な形の可愛い彫刻に一目惚れ。それをずっと覚えていて調べてみたら、すごく面白い人だと分かったんです。まだまだ興味は尽きず、大学院では海外の文献まで調べ、研究を続けるつもりです。
──これからコースを選ぶ後輩へのアドバイスは?
フランス語が本当に苦手、嫌いという人には、さすがに勧めませんが、苦痛じゃないというくらいなら、仏文を選んでも大丈夫だと思います。いろいろなことに興味があって何を選べばいいか決められないという人は仏文に進んでからじっくり選べばいいし、逆に何も興味のあるものがないという人も、仏文でさまざまな授業を選んで受けてみれば、その中からきっと何かを見つけることができると思いますよ。