コース説明
フランス語フランス文学コースとは何を学べる場所でしょうか? 生きたフランス語を身につけられる場所。フランス文学の奥深さに触れられる場所。美術や演劇、映画、ファッション、等々における、フランス文化の驚くべき広がりを知ることのできる場所。もちろんすべて正解ですが、とりわけそれを通して、別の文化と出会うことの楽しさと重要さそのものを、どこよりも体験することのできる場所です。
フランス語の響きに耳を奪われたり、フランス文化の雰囲気に惹かれたり、きっかけは単純なことでかまいません。そういう経験のある誰にとっても、知らない文化を学ぶことの無条件の楽しさが、仏文コースにはあふれています。
それにしてもなぜ、フランス語圏という特定の地域にこだわらなくてはいけないのか、もっと多くのことを横断的に学びたいと思う人もいるかもしれません。
さまざまな国の美術や映画や演劇を大きな視点から研究することや、人間のあり方を思想的、心理的、社会的な視点から考えること、それはもちろんとても重要なことです。しかしまず一つの文化圏のなかに深く踏み込むことからはじめなければ、わからないこともあるのです。たとえばフランス語で書かれた一冊の書物について、そこに何が書かれているかは、翻訳で読んでもある程度わかります。でもそれが当のフランスでどう読まれているか、あるいはそもそもどんな状況で書かれたのか、それをフランス語圏の視点から理解するなら、最初の印象はあっさり裏切られてしまうようなこともあるのです。
国際化とは、どこに行っても通用する人間になる、などということではありません。どこに行っても通用する常識などないと知ること、自分とは違った考え方の人々とどうつきあうか、困惑しながら学ぶことです。そのためにはある特定の文化圏に、しっかりとした足場を持たなくてはなりません。フランス語フランス文学コースとは、そのためのきっかけや方法や道筋を学ぶための場所なのです。
みなさんが少しでも多く、フランス文化の多様なあり方に触れることができるように、カリキュラムは自由度の高いものになっています。詳しくはカリキュラムの項目を見てほしいのですが、2年次の全員共通の必修科目で基礎固めをしたあとは、それぞれ関心を持つことができたテーマに沿って、講義や演習を自由に選ぶことができるでしょう。
そしてもちろん、フランス語圏への留学がとてもしやすい環境であるのも特徴です。留学帰りの先輩たちからいろいろな情報をもらえるでしょうし、われわれ教員も単位の互換に慣れていますから、留学期間を含めて4年間で卒業することも十分に可能です。
一人でも多くの人がこの環境を利用して、別の文化との本当の出会いを体験してくれるように願っています。