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卒業生の声 Vol.17
【IT系企業】
廣西 壮飛

Hironishi Masato

将来、ノマドワーカーになり
好きな時に自転車でフランスを走る、
そのためにIT系に就職しました。

 

──最初から仏文に進むと決めていましたか?
決めているどころか、僕はもともと文学部ではなく、文化構想学部だったんです。やりたいとことはいろいろあるから、とりあえず文化構想学部に入っておけば大丈夫、そんな気持ちで入学しました。でも2年生のコースを決めなくてはいけないというタイミングで、今度は真剣に自分は何が一番やりたいのか考えて、それがフランスに関わることだったので、思い切って転部をして仏文に進むことを決めたんです。

 

──フランスに関する何をやりたかったのですか?
自転車です。中学の頃からサイクリングをしたり、自転車屋さんのチームに入って時々レースにでたりしていたこともあり、フランスの自転車文化がすごく好きで、それを研究テーマにしたいと思ったんです。フランスで自転車というとツールドフランスが有名ですが、レースはもちろん、自転車で旅行をすることや、自転車に優しい街づくりなど、自転車とフランスに関わること全般に興味があったので、だったら仏文に進むべきだと思いました。

 

──仏文で自転車とは意外に思うのですが?
確かにそうかもしれませんが、仏文の先生に相談に行ったら、驚かれはしませんでした。畑違いのことなので若干戸惑っていたのかもしれませんが、基本的に仏文の先生はフランスに興味のある人なら、すべてを受け入れてくださるので、まったく問題なく、快く迎え入れてくれました。転部試験についても、過去問を見せてくださったり、いろいろ親身にサポートをしてもらえたお陰で、わりと簡単に転部が出来たんです。

 

──卒論も自転車について書いたのですか?
もちろん、『フランスと自転車』という題目で書きました。これまで自分が触れてこなかった自転車にまつわる文学やシャンソンなども研究し、文化的な側面も掘り下げながら、なぜこのようにフランスは自転車に優しい社会に発展することができたのか、なぜ日本では違う発展をしたのかを分析。今後の日本において自転車との関わり方を改善していく方法まで、自分の考える提言としてまとめました。

 

──在学中にフランスに留学はしましたか?
仏文を選んだ一番の核の部分に、フランスを自転車で走りたいということがあったので、3年生の時に交換留学生としてリヨンに行きました。自転車はもちろんですが、さらに大好きなスキーも出来るという理由でリヨンを選びました。そのおかげでフランス語も確実に上達し、いつかひとりでフランスを自転車で旅行をすることにも不安がなくなりました。

 

imgParoles1701──なぜ就職先にIT系を選んだのですか?
IT系の会社と仏文での経験とは直接関係ないように思えるかもしれませんが、僕なりの将来設計があるんです。まずは就職するベンチャー系のIT企業でスキルを身につけ、いわゆるノマドワーカー的な独立を目指します。そしてそれが実現したら、仕事をしながら、好きな時期に好きなだけフランスに行って自転車に乗るつもりです。それを可能にするために考え、選んだのが、IT系企業への就職だったんです。

 

──仏文を選ぼうという後輩へのアドバイスは?
僕のように自分の趣味や興味のなかに少しでもフランスという要素があるのなら、仏文はおすすめです。懐が深い先生ばかりなので、どんなテーマであれ、必ず受けとめてくれます。まず相談してみるといいと思います。ただ人と同じ勉強でいい、みんなで固まっていたいという人には勧めません。仏文は良い意味で個人主義なので、ひとりひとりが好きなことをやっている。それを心地よく感じる人は、きっと仏文が気に入るはずです。