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卒業生の声 Vol.26
【放送局】
小鹿 潤

Koshika Jun

もし仏文を選んでいなければ
夢だったアナウンサーに
なれなかったかもしれません。

 

──なぜ仏文に決めたのですか?
中学校の修学旅行で初めて訪れた時に早稲田大学を志望校に決め、将来アナウンサーになるためにTV局に就職するにはやっぱり文学部だろうと入学しました。だからその時点で、仏文を選ぶつもりはまったくありませんでした。第二外国語にフランス語を選んだのも、ちょっとカッコいいかなぁ、母がシャンソンをよく聞いていたから、そんな理由だったんですが、授業を受けてみると、先生もクラスの雰囲気もとてもよく、それで仏文に決めたんです。

 

──仏文を選んでよかったと思いますか?
はい。最初は仏文にきたからには、フランス文学を沢山読まなければならない、フランス語をガッツリやらされるのではないかと不安だったのですが、杞憂に終わりました。それほど文学を読まず、フランス語も日常会話レベルでしか話せない僕でも、ちゃんと卒業できました。僕にとって仏文は、文学や言語を学ぶための場所ではなく、自分のやりたいことを自由にやらせてもらえ、将来メディアで働くためにとても有益な経験ができた場所です。

 

──仏文ならではの魅力は何だと思いますか?
ユーモアに満ちた先生たちです。専門は違うけれどみんな楽しそうで、それを目の当たりにすることで、学問をする魅力をストレートに感じとることができました。卒業を控えた大事な時期に事故を起こし、将来の仕事のために歯の手術を受けければならなかった僕に、発表は後でいい、ミュートにして聞いているだけでいい、と親身になって、状況に応じたサポートをしてくれたのも仏文の先生ならではだと思います。とてもありがたかったです。

 

──卒論は何をテーマに書いたのですか?
『ツール・ド・フランスと日本』です。その切っ掛けも瀬戸先生がくれました。仏文でスポーツをテーマにアプローチする人が少ないから、やってみればとヒントをくれたんです。え、仏文でスポーツをテーマにしてもいいのかと驚きましたが、将来スポーツ実況をしたいと思っていたので、ツール・ド・フランスの実況を何度も聞き返し、考察したんです。メディアの視点で研究したことは、これからの仕事にも、とても役立つと思っています。

 

imgParoles2601──卒業後はどんな仕事をするのですか?
小学生の頃から夢だったアナウンサーになります。これからメディアで働く僕にとって、仏文で出会った仲間たちはとても刺激的でした。演劇サークルを続けるために何年も留年している人、語学を習得するために徹底的にこだわる人、大学を卒業したのにもう一度学びたいと仏文にやってきた人、それぞれが僕の知らなかった領域を広げてくれただけでなく、おざなりではない道を究める奥の深い生き方に身近に触れることでができました。

 

──これからコースを選ぶ後輩へのアドバイスは?
コースが決まっていても、決まっていなくても、仏文については一度は見てみた方がいいと思います。既成の“仏文”というイメージで文学と語学を学ぶコースという先入観はもたない方がいい。早稲田の仏文はまったく違います。間違いなく先生たちは面白いし、フランスに少しでも関わることなら、こんなことをテーマにしていいのかと驚くようなことまで自由に研究テーマが選べ、先生はそれを受け入れて熱心にサポートしてくれますよ。