卒業生の声 Vol.9
【大学院修士】髙安理保
Riho Takayasu
大学院ではオペラの研究を続けますが、
仏文コースが好きで先生方と
離れたくなかったというのも本音です。
──なぜ仏文コースを選んだのですか?
中学の頃から演劇が好きだったので“演劇といえば早稲田だ!”と思い入学しました。だから最初は演劇映像に進むつもりでいたのですが、1年で履修したフランス語の授業でその独特の響きにすっかり魅了されてしまったんです。演劇も学びたいけれどフランス語も捨てがたいと思っていたら、仏文コースならフランスにまつわることなら何でも研究テーマにできると知り、それなら私の希望が叶うと仏文コースに変えたんです。
──何を研究テーマにしたのですか?
フランスのバロックオペラ、叙情悲劇トラジェディ・リリックです。17世紀の音楽家マルカントワーヌ・シャルパンティエの『メデ』がきっかけです。大学に入りオペラにも興味をもち始め、フランス・オペラも聴いてはいたのですが、初めてトラジェディ・リリックを聴いてものすごい衝撃を受けました。音楽がフランス語の発音や韻律に忠実に丁寧に寄り添い繊細でとても美しいんです。その後も先生からDVDを借りて聴くうちにどんどんその魅力にはまり、卒論でもトラジェディ・リリックを扱いました。
──卒論ではどんなことを書いたのですか?
卒論のタイトルは「フランス・オペラにみる17世紀フランスの女性観・恋愛観—リュリ=キノーのトラジェディ・リリックにおける驚異的ヒロイン像の変遷―」です。大学では17世紀のフランス・オペラを研究しましたが大学院ではこのテーマを引き継ぎながら18世紀にも目を広げ、女性観・恋愛観が時代とともにどう変わっていったかというところを見ていこうと考えています。
──大学院への進学を決めた理由は?
もちろんフランス・オペラの研究を大学院で続けたいからですが、仏文がすごく好きでこの環境や仏文の先生方と離れたくなかったというのも大きいですね。仏文にはみんながお弁当を持ってコース室に集まり食事をとる“火曜日のランチ会”というのがあるのですが、そこで先生方といろいろ話しているなかで「じゃあ大学院に来たら」と勧めてもらったことがずっと印象に残り、結果として大学院への進学を決めました。
──ランチ会は他のコースにもあるのですか?
他のコースのことはよく知りませんが、なんの強制でもなく自由参加で、先生方も先輩も後輩も来られる時だけ集まっておしゃべりしながらランチをとる会となると、仏文だけだと思います。まさに先生との距離感が近くアットホームで居心地がいい仏文らしいランチ会です。この会でもそうですが、先生方と一緒に気軽に話ができて、どんなことでも親身に相談にのってくれる、それが仏文の魅力だと思います。
──他に思い出深いことはありますか?
学園祭でフランス語劇をやったことですね。仏文には戯曲をフランス語で読み進め、最後に劇の一場面を自分たちで発表するという授業であるのですが、それが楽しく、その延長でオディール先生を中心に仲間が集まり、同好会みたいなものができたんです。せっかくなら自分たちだけで楽しむのではなく、みんなに見せる機会が欲しいと衣装も自分たちで考え、学園祭でひとつの劇をやり切ったことは素敵な思い出です。来年もまたやりたいと仲間と話しています。
──コース選びについて後輩へのアドバイスは?
仏文をフランス語で文学というイメージでとらえがちですが、それは違います。フランスにまつわることだったらなんでも好きなことが勉強できると考えた方がいい。私のように演劇やオペラを学びたければそれも出来るし、どんなことでも先生方は必ず親身にサポートしてくれます。居心地がよくて離れたくなくなるくらい楽しいですよ。もしよければ一緒にフランス語の劇をやりませんか?いつでも新しいメンバーは大歓迎です。