いわゆる「プチ・フランセ」の方法


まず、毎日この活動のために割くことができる静かなひとときをみつけます。たとえば寝る前や起き抜けや、朝食の直後など(わたしの場合は、同じ建物での生活がだんだんと静まっていく夜のひとときでした)。

 


居心地よく身を落ち着けます。肘掛椅子に座ったり、ベッドにゆったり横になったり、あるいは一杯のお茶やコカ・コーラ、お菓子を一袋手の届くところにおいて畳の上に寝そべったり(わたしの場合はベッドで、飲み物は一杯の冷たい水でした)。

 


とりわけ、辞書やらほかのいろいろなもの、努力とか授業などをいやな感じで思い出させるようなものはすべて、遠ざけること。どうしてもと言うなら、ノートと鉛筆は用意してもいいでしょう、発見して嬉しかったフランス語の単語をときどき書きつけておくために。

 


フランス語の本を一冊開きます。あまり長くないもので、本当にあなたにとって興味ある主題のものを(わたしの場合は、ギリシャ語かラテン語の文章でした)。そして段落をひとつ読みます。何もわからなかったって?だいじょうぶ、わたしも最初のうちはそうでした。あわてないで、また読み直します。もう少しましになったんじゃないかしら? がんばって、もう一回やってみて。読み終わりましたか?

 


さてそこで、最初からやりたくてしかたがなかった身振りを完遂してください。つまり、日本語の翻訳を開くのです(わたしの場合は、自分の持っていた二ヶ国語の対訳本の右ページを見るというわけです。こっちのページは最初は気をつけて白い紙で隠しておくのです。紙は二つ折りにしてちゃんと透けないようにしていました)。そして問題の段落を読みます(もっと先まで読みたい誘惑には抗ってください)。

 


飲み物をひと口飲んで、伸びをしてから、この作業をまた始めてください、15分から20分経つまでの間。それ以上はだめです。よいものを濫用してはいけないし、最初ならこれぐらいで十分すぎるぐらいですから。

 

最初のうちは、おそらく数行しか読めないかもしれません。でもすぐに、同じ時間で読める量が増えてきていること、知らず知らずにフランス語を吸収していることに気づくでしょう。そして根気よく続ければ、本をまるごといくつも読めるようになるでしょう。