ベルギーでROAD MOVIE

ダルデンヌ兄弟は、この次の作品『ロゼッタ』でカンヌ映画祭パルムドールを取り、去年来日した。そのときに会わせてもらったのだが、これが二人とも本当にいい人!なのだった。親戚のおばさんがカンヌの受賞の話をどうしても信じられず、取り消されたらどうしようと最後まで心配していたとか、すごくいい話をいろいろ聞かせてくれた。『イゴールの約束』では、イゴールは父に逆らい、移民の黒人女性アシタを連れて街を放浪する。二人が橋を渡るシーンは印象的だ。(写真は、雑誌Les Inrockuptiblesより。これはお薦めの雑誌です。最近戸山図書館で読めるようになりました。)こういう、現在の何げない風景がよいのである。

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旅行に行くと、けっこう写真を撮る。資料や教材に使うためでもあるが、ただ街を散歩していたり、乗り物を待っていたり、列車に乗ったりしているときに、そのへんの風景を何となく撮ることも多い。(でも、去年の夏、シャルル・ドゴール空港で叶姉妹に遭遇!したときは、どうも引いてしまって撮れなかった。そういう根性のいる写真はだめなのです。)今回ベルギーで撮った写真から、何枚かを選んでみる。
アントワープの川沿いで撮った、これはクレーンか何かだろうか。すごく天気の良い日で、雲がとてもきれいだった。アントワープの中心部はすべてこれ文化財、というところなのだけれど、街はずれのこんな眺めをつい撮ってしまう。

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次の3枚は、すべて北海沿岸。海沿いの街オステンドに行って、沿岸トラム(路面電車)に乗った。オステンドから西に1時間走るとフランス国境、東に1時間走るとオランダ国境になってしまう。ということで、短いながらこれは大いにインターナショナルな路線なのである。乗り物は、本当は船が一番好きなのだけれど、なかなか乗る機会がない。(オステンドからはイギリス行きのフェリーが出ていて、2時間でドーヴァー海峡が渡れる。いつか絶対乗るぞ、と決意。)

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「ロードムーヴィー」とタイトルにつけたのは、今回自分の撮った写真を見て、つくづく「ロードムーヴィー調だなあ」と思ったから。撮っている時はあまり意識していなかったが、いかにも「ぽっかーん」とした風景ばかりである。特に、水辺の「ぽっかーん」には弱い。家の前からポンポン船が出ているようなところで育ったせいでしょうか。